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第10回全国和牛能力共進会の役割

 「能力共進会」の名称のもと,和牛の能力と斉一性の向上を目指す本共進会も, 今回で10回目を迎えます。本共進会の特徴は,それぞれの時代における和牛生産と改良上の 重要課題を反映した出品区を設定し,日常の登録事業を通じた改良成果の検証と併せて, 次世代を託せる素材の選抜と展示により,今後の和牛改良の方向性をも明示することにあります。
 そのため,本共進会では,開催のねらいに基づくテーマを掲げ,その実現に努めてきました。
 
 これまでの共進会では,
第1回(昭和41年・岡山県) 「和牛は肉用牛たりうるか」
第2回(昭和45年・鹿児島県) 「日本独特の肉用種を完成させよう」
第3回(昭和52年・宮崎県) 「和牛を農家経営に定着させよう」
第4回(昭和57年・福島県) 「和牛改良組合を発展させよう」
第5回(昭和62年・島根県) 「着実に伸ばそう和牛の子とり規模」
第6回(平成4年・大分県) 「めざそう国際競争に打ち勝つ和牛生産」
第7回(平成9年・岩手県) 「育種価とファイトで伸ばす和牛生産」
第8回(平成14年・岐阜県) 「若い力と育種価で早めよう和牛改良,伸ばそう生産」
第9回(平成19年・鳥取県) 「和牛再発見!−地域で築こう和牛の未来−」
というテーマが設定され,それぞれ所期の成果を収めてきました。
 
 今回は「和牛維新! 地域で伸ばそう生産力 築こう豊かな食文化」というテーマを掲げました。 刻々と変化する経済情勢のなかにあって,食と農を支える基幹産業としての和牛の役割はさらに 高まりつつあり,より効率的な和牛生産と改良に向けた基盤づくりが求められています。
 こうした課題への対応として,今回の本共進会では, 総合的な生産能力の向上に向けた新たな選抜指標の 実証展示と,遺伝的多様性の維持・拡大に向けた体制 づくり,消費者に好まれる「美味しい和牛肉」の 効率的な生産等に取り組んでまいります。


昭和41年第1回全国和牛産肉能力共進会