平成27年度種雄牛現場後代検定合同調査会を開催しました

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平成28年2月8日,9日の両日,平成27年度現場後代検定合同調査会が開催され,12県から15頭の出品がありました。
枝肉研究会では,種雄牛の造成背景から,肥育期間中の飼養状況,枝肉成績の考察などについて,各県より発表をいただきました。今年度の合同調査会は,第10回全国和牛能力共進会(長崎大会)の第1区に出品いただいた種雄牛も多く,全共出品に対する地域の想いや取り組み経緯などについても報告をいただきました。また,今年度も出品調査牛のMUFA(一価不飽和脂肪酸)含有率の測定を行いました。

シンポジウムは一般社団法人全国肉用牛振興基金協会との共催により「SNP情報による系統分類と効率的な美味しい和牛肉生産の追求」と題して行われました。本会からは,昨年度に引き続き,今回出品された15頭の種雄牛について,和牛DNAデータベースに蓄積されたSNP情報による系統分類の結果および各県の雌牛集団を対象とした系統分類結果,牛肉の成熟度に関わるとされる一般成分(水分,粗タンパク質,粗脂肪)とコラーゲンに対する調査について報告しました。また,取組事例紹介として,宮城県畜産試験場上席主任研究員の石黒裕敏氏から,「黒毛和種肥育牛における飼料用米給与と肉質評価について」と題して,飼料用米給与の肥育試験結果ならびに牛肉の官能評価試験についても報告いただきました。

開催日:平成28年2月8日(月)~9日(火)

場所:宮城県仙台市宮城野区 仙台市中央卸売市場食肉市場
〃  青葉区 東京エレクトロンホール宮城

出席者:道府県関係者約200名 本会側研究員7名 および本会役職員

内容:平成28年2月4日(木)搬入,着時体重測定,個体確認,生体調査
、..2月5日(金)調査牛のと畜,解体,冷却
、、、2月6日(土)終日冷却
、、、2月7日(日)枝肉カット,光学測定,採材,本会関係者枝肉調査
、、、2月8日(月)枝肉調査,販売,枝肉研究会,懇親会
、、、2月9日(火)シンポジウム

調査牛:去勢牛31頭,雌15頭
・北海道  「茂晴安」 (黒 14841)の調査牛(雌 3頭)
・岩手県  「美乃宝純」(黒原 5547)の調査牛(雌 3頭)
・ 〃   「天王招福」(黒原 5549)の調査牛(雌 3頭)
・ 〃   「雪福秀」 (黒原 5545)の調査牛(去勢3頭)
・福島県  「福之助」 (黒原 5565)の調査牛(去勢1頭,雌2頭)
・岐阜県  「白藤85」(黒原 5593)の調査牛(去勢3頭)
・鳥取県  「平白鵬」 (黒原 5616)の調査牛(雌 3頭)
・島根県  「釣波」  (黒原 5554)の調査牛(去勢3頭)
・岡山県  「黒金糸藤」(黒原 5540)の調査牛(去勢2頭,雌1頭)
・長崎県  「勝乃幸」 (黒原 5630)の調査牛(去勢4頭)
・大分県  「安森照」 (黒 14918)の調査牛(去勢3頭)
・ 〃   「輝玉福」 (黒原 5542)の調査牛(去勢3頭)
・宮崎県  「鞍之国」 (黒原 5582)の調査牛(去勢3頭)
・鹿児島県 「忠久勝」 (黒原 5567)の調査牛(去勢3頭)
・宮城県  「平茂洋」 (黒原 5585)の調査牛(去勢3頭)

[枝肉研究会ならびに総括検討会]
1)出品種雄牛紹介と造成経過等の報告
2)全体まとめ
3)感謝状贈呈

[シンポジウム]
【SNP情報による系統分類と効率的な美味しい和牛肉生産の追究】
1)SNP情報による系統分類とその特長について
              本会総務課 山口 由紀
2)牛肉の成熟度形質理化学分析の調査結果と脂肪の質改良に向けて
            本会情報解析課 勝田 智博
3)黒毛和種肥育牛における飼料用米給与と肉質評価について
   宮城県畜産試験場 上席主任研究員 石黒 裕敏