もっと知って欲しい、和牛のこと(1)

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○「和牛肉」と「国産牛肉」はどこが違うの?
 私たちが食べている牛肉のうち、半分はオーストラリアやアメリカから輸入されたもので,残り半分が国内産の牛肉です。
そのうち、黒毛和種などの「和牛」の肉は3分の1程度で,3分の2は,乳用種であるホルスタイン種に由来する牛肉です。

「和牛」は,明治以前から日本で飼われてきた牛を改良してつくられた,わが国が世界に誇る「肉専用種」です。
「和牛」のなかでは,日本全国で飼われている「黒毛和種」が有名ですが,その他にも,熊本県と高知県などで飼われている「褐毛和種(あか毛和種)」,山口県の「無角和種」,岩手県,青森県,秋田県,北海道などの「日本短角種」がいます。どの品種もそれぞれ独特の特徴があり,各地で大切に守り育てられています。
全国和牛登録協会では,これらの「和牛」のうち,「黒毛和種」,「褐毛和種」(高知系),「無角和種」の登録を行っています。
 (「褐毛和種」(熊本系)の登録は「日本あか牛登録協会」,「日本短角種」の登録は「日本短角種登録協会」で行われています。)

○なぜ,「生まれも育ちも明らか」なのでしょう?
 私たち全国和牛登録協会は,和牛の「戸籍」を管理しています。人間の世界でいうと,役場のような役割をしています。
牛に「戸籍」があるなんて,不思議に思われるかたもいらっしゃるかもしれません。
しかし,和牛たちは,一頭一頭,きちんと名前がつけられ,両親はもちろん,祖父母のそのまた祖父母から続く血統や,生産地(どこの農家で生まれたか),誕生日等の「生い立ち」がはっきりとしており,これらの情報がすべて書かれた「証明書」を子牛の時から持っています。
証明書は,検査員の立ち会い検査をもとに発行されていて,その証明書があれば「どこで,いつ生まれた,どんな牛か」がすぐわかるようになっています。

私たちの事務所には,毎日,全国各地の和牛について,出生,分娩,移動,検査や審査の結果等の情報が送られてきており,それをもとに証明書を発行しています。
これらの情報は,当協会の設立以来,積もり積もって約60年分になります。大変な量ですが,データベースで間違いのないよう大切に管理されています。