1)若雄(第1区)
産肉能力、種牛能力ともに高い能力が期待される種雄牛の造成を狙った出品区です。
個人または道府県による個体出品で、道府県の改良方針に基づき計画的に造成された種雄牛候補が出品されます。
出品牛は産肉能力について、出品牛の母牛には繁殖能力について、一定以上の水準が求められます。
なお、道府県の改良を牽引することが期待されるこの区の対象牛については、後代検定により早期に能力を確認します。
2)若雌(第2・3区)
改良組合活動の活性化による増頭意欲の向上とともに、全共参加者の拡大を促すことを狙いとした出品区です。
個人による個体出品で、出品者は、本会認定の「改良組合の会員」であることが条件です。
出品牛は産肉能力について、一定以上の水準が求められます。
なお、この区の対象牛を積極的に改良組合内に選抜・保留し、地域全体の生産基盤の安定と拡充につなげます。
3)系統雌牛群(第4区)
和牛集団の遺伝的多様性の維持・拡大と、地域における特色ある系統の再構築を目指し、将来にわたって系統の特色ある遺伝子を保留・固定していくための確実な体制づくりとその取り組み成果の実証展示を目的とした出品区です。 出品単位は、本会認定の和牛育種組合ならびに本会支所を目安とした出品で、系統再構築に向けた取り組みの中で計画的に生産された雌牛4頭を1群として出品されます。
出品系統は地域における遺伝的多様性の維持・拡大を担うもので、地域の特色を備えていることとし、出品牛は系統内から造成された種雄牛により系統の遺伝子の固定が図られた経緯のあるものとします。また、産肉能力と繁殖能力について、一定以上の水準が求められます。
なお、系統再構築に向けた取り組みについては、この区への出品を通じて実施してきた取り組みを1つのモデルケースとして、育種組合等を中心とした各地域のなかで、さらに活動の幅を広げ、充実させていきます。
4)繁殖雌牛群(第5区)
改良の基盤となる繁殖雌牛集団の斉一化を図るとともに、改良組合を中心とした集団活動による改良成果の確認と技術向上を目的とした出品区です。
本会認定の改良組合ならびに本会支所単位を目安とした出品で、成雌牛4頭を1群として出品されます。
出品牛は繁殖能力と産肉能力について、一定以上の水準が求められます。
なお、この区の対象牛による優良産子の生産とそれらの地域内保留に努め、集団全体のレベルアップにつなげます。
5)高等登録群(第6区)
母-娘-孫娘に亘る改良の成果の確認と、優良雌牛系統の地域への保留推進と拡大を狙いとした出品区です。
本会認定の改良組合ならびに本会支所単位を目安とした出品で、高等登録の母牛と娘牛及び孫娘牛の直系3代にわたる3頭を1群として出品されます。
この区では、改良の中核となる高等登録の意義を再確認し、地域の生産・改良基盤の強化のため、高等登録の促進につなげます。
6)総合評価群(第7区)
種牛能力と産肉能力を総合評価する出品区で、地域の改良の中核を担う種雄牛の産子を実証展示し、各地域の改良成果を確認することを狙いとした出品区です。
出品は本会認定の育種組合の存する道府県を中心として、道府県の改良方針に基づき計画的に造成された同一種雄牛の産子を、種牛群(4頭)と肉牛群(3頭)合わせて1群として出品されます。
出品牛の父牛には年齢の制限が設けられ、種牛群の出品牛は繁殖能力と産肉能力について、また肉牛群の出品牛は産肉能力について、それぞれ一定以上の水準が求められます。
この区の対象種雄牛により生産された優良雌牛を積極的に地域内で保留し、種牛能力と産肉能力をバランス良く備えた次世代の繁殖雌牛集団づくりにつなげます。
7)若雄後代検定牛群(第8区)
次の世代を担う能力の高い若い種雄牛の発掘と、現場後代検定の普及促進を狙った出品区です。
個人またはグループによる出品で、同一種雄牛の産子の去勢肥育牛3頭を1群として出品されます。
出品牛の父牛には年齢の制限が設けられ、産肉能力について一定以上の水準が求められます。
なお、この区の対象牛は、これからの地域を代表する可能性のある種雄牛として位置づけられており、積極的に利用し、世代交代の促進につなげます。
8)去勢肥育牛(第9区)
効率的な肉牛生産を目指し、和牛の肉用牛としての能力の追究と、それらを最大限に引き出す肥育技術の研鑽を目的とした出品区です。
個人による個体出品で、1つの道府県から2頭までの去勢肥育牛を単品として出品されます。
出品牛の父牛には年齢の制限が設けられ、産肉能力について一定以上の水準が求められます。
なお、この区の取り組みを通じて得られた成果を発信するとともに、繁殖・肥育の連携を強め、生産性の向上につなげます。